柏市で市内の清掃工場で出た焼却灰から7万Bq/kgを検出。Cs汚染の長期サイクル化の可能性も。


柏市で市内の清掃工場で出た焼却灰から7万Bq/kgを検出。Cs汚染の長期サイクル化の可能性も。

 7月11日、各マスコミで自分が居住する柏市の清掃工場から排出された焼却灰から1キロあたり7万ベクレルを越える放射性セシウムが検出されたと報じられた。
 市のHP http://www.city.kashiwa.lg.jp/soshiki/080100/p008818.html によると、市に2か所ある清掃工場及び最終処分場の焼却灰(飛灰固化物・溶解飛灰固化物)から国の定める8千Bq/kgを越える放射性セシウム(Cs134及びCs137の合計)が検出され、第二清掃工場に至っては溶解飛灰固化物から7万Bq/kgを越える放射性セシウムが検出されたと報じている。

 HPにある報告書を更に詳細に読むと、6月22日の段階で最終処理場の溶解飛灰埋立区域内で地表5cmで最大9.8μSv/hの空間放射線量が検出され、その結果を受け各清掃工場の焼却灰の測定を実施したとのことである。この最初の6月22日の試験的測定は5月15日に環境省所轄「災害廃棄物安全評価検討会」による会合を受けての実施であり、政府・行政側は放射線物質汚染地域のゴミ焼却により焼却灰より高濃度の放射性物質が検出されるであろうかとを見越していたと思われ、柏市以外でもホットスポットと呼ばれる地域においては同種の問題を抱えていると思われる(東京都における下水汚泥汚染に関しては6月24日に都議会において民主党議員からの質疑において明らかにされている)。

 当然の事ながら焼却灰に基準値の約9倍にあたる放射性セシウムが検出された以上、その焼却過程で排出される排ガスによる放射性セシウムの再拡散の恐れが心配される。このことに関して市側の報告では各施設の敷地境界付近で測定した空間放出線量は、0.25~0.49μSv/hと、それ以前に測定した東葛6市の空間放射線量の測定結果である0.30~0.44μSv/hと変わらず、また排ガスそのもの鑑定を民間(島津テクノリサーチ)に委託し測定したところ、排ガスから放射性セシウムは「不検出」との回答を得たとしている。

 しかしこの回答には疑問が残る。日本鉱物科学会の報告(赤井純治氏)によると有機物・微生物に取りこまれたセシウムは焼却により確実に排ガス中に放出され(有機物・微生物に取りこまれたセシウムは有機物・微生物の燃焼と共に沸点671度でガス化する。通常ゴミ焼却炉ではダイオキシン対策のため焼却温度を800度以上としている)、更に微細な粘土鉱物自体に付着したセシウムも飛散する可能性があるとしている(セシウム挙動の4つのステップ)。その場合セシウム汚染が表層環境で長期にわたりリサイクルして継続する恐れもあると警告している。

 柏市の清掃工場の構造を見ると、旧式の北部クリーンセンターでは標準的なろ過式の集じん器による排ガスの飛灰の集灰・クリーニングを行っており、南部クリーニングセンターでは溶解炉排ガス集じん機による飛灰の集灰・クリーニングを行っている。こうした飛灰の集灰・クリーニング方法の違いにより両工場での飛灰固形物と溶解飛灰固化物における放射性セシウムの検出量の違いが出たのであるとするならば、北部クリーンセンターではその分放射性セシウムの空中への再放出がなされた可能性が極めて高いのではないだろうか。
 
 排ガス中の放射性セシウムの検出方法にも疑問が残る。市の資料によれば放射性セシウムの採取媒体として、円筒ろ紙、ドレン部、活性炭フィルタのそれぞれから採取、測定したといている。しかしこれらの採取媒体では放射性セシウムの採取媒体として不適切ではないだろうか。セシウムの吸着媒体として適切なものは沸石や粘土鉱物であり、これらを採取媒体として使用せずに適切な放射性セシウムの採取は行えないのではないだろうかと思える。そもそも市内の清掃工場はこうした放射性物質に汚染されたゴミの焼却を想定して作られているわけではなく、原子力施設排気フィルタとして使用されているHEPAフィルタなどを使用しない限り放射性セシウムの空中への再拡散は防ぎくれないのではないだろうか。
 更に市の資料では直接排ガスの測定を行った記録は掲載されていない。原子力委員会の方は1分あたり50リットルの吸引を1週間行い測定する指針が出されているが、市の資料では各工場とも一日のみ上記のような測定方法による測定で不検出と結論づけられている。
 
 またこうした環境下で作業を行う清掃労働者の被曝も心配である。この件に関しては市のHPでは全く触れられていないので市の担当課に直接問い合わせたところ、マスク、帽子と簡易な防護服?を着用し、作業後は徹底してシャワーによる洗浄を指導していると回答してきたが、蓄積放射線量のモニター等の対策は一切取られていないようだった。先の様な着衣であれば、通常の焼却場における作業員の着衣と全く変わらず、それによりこれほど高濃度の放射性セシウムが検出される作業場においてどれほどの効果が期待できるのか甚だ疑問である。

 何れにせよ採取方法の問題点を含め再度市側へ詳細な説明を協力的な市議員と共に求めて行く必要がありそうだ。東葛6市の空間放射線量の測定結果である0.30~0.44μSv/hという高い空間放射線量も、既に「セシウム汚染が表層環境で長期にわたりリサイクルして継続」した結果によるのかも知れない。昨日(7月15日)に報道された柏市の隣接市である野田市の堆肥センターで2千Bq/kg以上の放射性物質を検出されたとの報道と併せ考えると、ホットスポットエリアでの表層環境で長期にわたる放射性物質の汚染のリサイクルが開始していると考える方が妥当だろう。

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投稿日: 2011年7月29日 | カテゴリー: 反原発 | パーマリンク コメントする.

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